なぜ一流の経営者は、40代でワインを学び直すのか — 資格はいらない、地図がいる

ワインと会食

最近、経営者やビジネスの第一線にいる方がワインを学び直す姿をよく見かけます。資格に挑戦する方も増えました。

でも、先に言い切ってしまいますね。会食のためなら、資格はいりません。いるのは「地図」です。

知識の量ではなく、構造で覚える

ワインの世界は、覚えようとすると無限です。品種、産地、格付け、ヴィンテージ。真面目な人ほど暗記に向かい、暗記した人から挫折していきます。

わたしはフランス語がゼロの状態で渡仏して、5年かけて仏ワインの国家資格を取りました。正直に白状すると、机の上で覚えたことはほとんど残っていません。残ったのは、現場で毎晩ワインを開けながら体に入った「構造」のほうです。どの産地が、どんな品種で、どんな性格の味になるのか。この地図さえあれば、知らないワインに出会っても現在地がわかります。

最小の地図は「白2つ、赤3つ」

会食で困らないための最小構造は、これだけです。

  • 白: シャルドネ(ふくよか)と、ソーヴィニヨン・ブラン(爽やか)
  • 赤: ピノ・ノワール(軽やか・香り)、メルロー(まろやか)、カベルネ・ソーヴィニヨン(力強い)

たった5つの品種が、味わいの東西南北になります。「ピノ・ノワールのような軽めの赤を」と言えた瞬間、ソムリエとの会話は一段深くなる。地図の入口としては、これで十分です。

学び方は「月に一本、いいワイン」

勉強法もシンプルでいい。毎週安いワインを何本も飲むより、月に一本、少しいいワインをレストランで飲んで、品種と産地だけメモする。舌は、いいものからしか学ばないからです。1年で12本。それだけで、あなたの中の地図には12の都市が灯ります。

まとめ — ワインの教養は、相手への敬意になる

経営者がワインを学ぶ本当の理由は、うんちくを語るためではありません。相手の国の文化を、相手のグラスの中身を、ちゃんと尊重できる人になるためです。教養とは結局、敬意の別名なのだと思います。

わたしがなぜワインに人生を持っていかれてフランスまで流れ着いたのかは、プロフィールに書いています。よかったら笑ってやってください。

次回は、会食が苦手な方のための「ワインマナー、5つの型だけ」をお届けします。

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