シャンパーニュ・テタンジェを紐解く旅~ランスの宝石を訪ねる~

シャンパーニュ

こんにちは、ワイン・シャンパーニュコンサルタントの浅野ゆり(@YuriAsano_Wine)です。

突然ですが、

あなたは、シャンパンのふるさとに行ったことはありますか?

以前おさらいした通り、シャンパンの故郷と言えば、フランスのシャンパーニュ地方ですね^^

ワインとどう違うの?シャンパーニュの造り方【超初心者向け】
🕒この記事は5分で読めます シャンパーニュについて知りたいひと シャンパンって美味しいけど、そもそもシャンパンってどんな飲み物なの?ワインとどう違うのかな? 今日は、こんな疑問にお答...

 

私は一年の半分以上パリに住んでいるのですが、シャンパーニュ地方はパリからとても近いんです。車で2時間半、電車で2時間ほどで美しいブドウ畑のこの土地に行くことができます。

ランスを象徴する大聖堂も見ものです。

 

今回お客様をお連れしてシャンパーニュ地方のご案内をしてきたので、その訪問先のひとつであるシャンパーニュ・テタンジェについてまとめてみました。

シャンパーニュ テタンジェの特徴

巨大シャンパンメゾン&でも家族経営の好ギャップ

世界に名だたるグラン・メゾンのひとつと言っても過言ではない、国際的に名前の知れたシャンパーニュの名門。

元々ランスにあったフルノー社を1932年にピエール・テタンジェ氏が買収してから今もテタンジェ一族(4代目)による家族経営を貫いています。

この美しい女性、誰だと思いますか?

実は4代目のうちのおひとり、ヴィタリー・テタンジェさんという方で、メゾンではアートディレクターをされているんです。

創業者のひ孫さん(4代目)は3人いらっしゃるので、あとのおふたりと一緒にメゾンを支えています。

 

シャンパーニュメゾンの実績としてはテタンジェのフランス国内での消費はトップクラス、世界での消費も数あるシャンパーニュのメゾンのなかで6位(2018年※ドリンクビジネスより)と際立った業績を上げています。

 

広大な自社畑による徹底した品質管理

288haの広大な自社畑を所有しており、ブドウの品質を徹底的に管理することが可能です。

フラッグシップの品種であるシャルドネも、テタンジェの上位キュヴェのコント・ド・シャンパーニュ用にはシャルドネの聖地であるコート・デ・ブランのブドウを使用しています。

 

ゆり
ゆり

広大な自社畑を所有している事は、ワイン造りにおいて大きなメリットです。なぜなら、メゾンのスタイルに合ったブドウづくりを貫けるだけでなく、ブドウ栽培農家さんに頼る比率が減るからです。

 

買いブドウの比率が高いメゾンにとっては契約農家さんとの関係はとても大切です。

メゾンの方針よりも毎年供給していただくために心血を注がなければいけないため、シャンパーニュ造りとは別のところでリソースを割かなければなりません。

 

実際に巨大メゾンでどんどん栽培農家さんから買っているところは、近年のRMブームによって栽培者側から契約更新を断られることもあり、農家さんの接待も頑張らなくてはいけないようです。どこのビジネスも大変ですね(;^_^A

シャンパーニュ・テタンジェのカーヴ訪問

テタンジェは2つのカーヴを所有しているのですが、ひとつが2015年にUNESCOの世界遺産として登録されたサン・ニケーズ(ランスのグラン・メゾンがひしめく一帯)、もう1つは別の場所にある近代的なカーヴです。

 

サン・ニケーズのカーヴは見学可能で、以下のURLから英語で予約が可能です。

https://cellars-booking.taittinger.fr/?_locale=en

ユネスコの世界遺産に指定されるだけあり地下カーヴは印象的で歴史も興味深いので、もしもシャンパーニュに行かれる機会があればぜひどうぞ^^

 

訪問当日は、ランス駅からタクシーで15分ほど走りメゾンに到着。

ここではプレスティージュキュヴェと大き目のボトル(マグナム以上)のみ貯蔵しており、地下12m,18m,20mと3段階に分かれたカーヴの中には、なんと300万本ものシャンパーニュが眠っています。

一年を通して自然な涼しさ(8~10℃)が保たれており、外界の光からも守られています。

(このカーヴの灯りはナトリウムライトを使用しており、ワインへの影響を最小限にしています。)

 

テタンジェのサン・ニケーズのカーヴでは機械を使わない

このプレスティージュキュヴェのみ揃えたカーヴには、機械は一切入らず全て人の手で運搬しています。

すみませんテタンジェでうまく撮れなかったので、同じくサン・ニケーズにあるルイナールの写真で代用しています・・・。

(嘘は嫌なので迷わず暴露(;^_^A)

見た目はほぼ同じですが、テタンジェのカーヴでは、ボトルの積み上げた高さはルイナールよりも低く大人の背くらいまででした。

 

パレットにも入れず、ずらーーーーっと並んだ無数のボトル・・。

これって本当にグラン・メゾンだからできることであって、小規模生産者だとすごく難しいんですよね。

無数のシャンパーニュを移動させるために人員が必要なので普通は機械を使ってパレットで運びますし、時間ロスを最小限にするためにパレットのまま貯蔵しているところがほとんどです。

特にジェロボアム(3000ml)やマチュザレムボトル(6000ml)なんて約6キロ、約13キロほどなので、赤ちゃん~幼児の重さなので、運ぶだけでも大変です。

 

それなのにテタンジェでは、人の手しか使わないなんて・・・始めは耳を疑ったので、えっ本当に機械使わないの!?と思わず案内担当の方に聞きなおしてしまいました。

「そう、ひとり2本ずつしか運べないからすごく時間がかかるのよ!」との回答。

ひょえ~、すごいこだわりですね。

テタンジェのアートコレクション

テタンジェはそのアートコレクションが有名ですよね。日本でも入手困難だとか・・・。

ミレジムによってビジュアルが変わるのはシャトー・ムートンのようですが、テタンジェは若手で今は無名でも今後期待できるアーティストの作品も取り入れています。

 

話がそれますが、イタリアをはじめフランスも大きなワイナリーになればなるほどモダンアートの絵画がセラーに飾ってあったり、「ワインとアートのマリアージュ」の場面に遭遇することが多く、ワインが生活に彩を与えてくれることを現していますね♪

あとは「ワインと音楽(ジャズ等)」も多いですね。

 

テタンジェのシャンパンの味わい

結論 グラン・メゾンの安定した品質を見せながらもシャルドネの繊細さと優美さが際立っていました。

ブリュット レゼルブブリュット・レゼルヴは綺麗な酸味が余韻を引き立てていました。ナッツやバターのまろやかさも感じられて、バランスに優れています。3~4年熟成。

最低でも10年熟成のコント・ド・シャンパーニュは温度が上がるとトリュフの香りが出てうっとりしました。

ほのかなキャラメルの香りも心をくすぐります。エレガントで凛としていながらも優しさを感じたシャンパーニュでした。

テタンジェの方が教えてくれたことによると、テタンジェでは複数のミレジメを同時にリリースすることはせず、現行の2006が終了次第、次のミレジメに移るようです。

今のうちにトリュフの香る2006、たくさん愉しみたいですね!

あーそれにしても美味しかった~

 

通販で愉しむテタンジェ

とにかく種類が豊富なテタンジェの通販。

リーデルのシャンパングラスとのお得なペアセットもあるようですね。

シャンパン好きな方への結婚式のお祝いや、年末のお歳暮にも良いかもしれませんね♪