ブルゴーニュワインを飲みつくす!栄光の三日間の楽しみ方(オスピス・ド・ボーヌ競売会と試飲会の流れも)

ワインのあれこれ

 

ワインが大好きな男性
ブルゴーニュワインの聖地、ボーヌで行われるワインの競売会を一度見てみたい・・・ついでにオスピス・ド・ボーヌも見学したい!

でも、いきなり行って大丈夫かな?せっかくフランスまで行って門前払いだったら困るし・・・。
フランス語も喋れないからなぁ。

こんにちは、ワイン・シャンパーニュコンサルタントの浅野ゆり(@YuriAsano_Wine)です。


毎年、11月の第3土曜日に始まるブルゴーニュ地方のワインのお祭り、栄光の3日間!(オスピス・ド・ボーヌの競売会)、今年も楽しみですね(^^) 私もほぼ毎年行っていますが、お客様からどのようなイベントなのかご質問いただいたので、せっかくなのでイベントスケジュールとボーヌでの楽しみ方をまとめてみました。

ちなみに今年は11月15日(金)~17日(日)の予定となっています。
みなさん、ワイングラスと嗅覚の準備は宜しいですか?(^^)
それでは、レポートします!

栄光の3日間、オスピス・ド・ボーヌの競売会とは?

フランスはブルゴーニュ地方の中心であるボーヌ市。そこにはオスピス・ド・ボーヌ(オテル・デュー)という、貧しい人々を救うために15世紀に建てられた施療院があります。

そのころは貴族から寄進された畑でワインを造り、その売り上げから治療費を捻出していました。 そのため、このオスピスの11月の競売会はチャリティオークションの役割を担っており、そのオークションを取り巻くブルゴーニュのお祭りを、「栄光の三日間」と呼びます。

現代はこのオスピス・ド・ボーヌは施療院として機能しておらず観光名所になっていますが、未だにこのオークションの売上高は慈善団体・アソシエーションに寄付されることでブルゴーニュの良心として存在し続けています。

この競売会でワインにつけられた値段は、その年のワイン業界でのブルゴーニュワインの値段を決めるため、世界中のバイヤーも大注目!


ゆり
ゆり

ワインの販売会の前に、最大関心事であるその年のワインのできばえについて詳細な説明があるため、私たちワイン業界で働く者にとっては、むしろ「知っておかなければならない情報」ともいえます。


チャリティーオークション前の試飲会は一見の価値あり!

オークションに出品される樽は、全て事前に試飲が可能です。
直接、オスピス・ド・ボーヌのキュヴリー(醸造所)に栄光の三日間の最終日である日曜日の8:30-10:00の間に行き、チケット(一般入場料25ユーロ+グラス5ユーロ ※グラスの持ち込み可)を購入すれば誰でも入れます(^^)

オスピス・ド・ボーヌの醸造所(キュヴリー)の住所
  Avenue des stades
  21200 BEAUNE

※この道に出ると下の写真のように醸造所(Cuverie des Hospices)が見えてきます。

私が初めて行った時には、どこに行けばいいかわからず知り合いに電話しながら辿り着きましたが、ぜひこのマップを参考に行ってみてくださいね(^^)
オスピス・ド・ボーヌのキュヴリー(醸造所)の外観

特にカーヴの中は寒いので、ジャケットは必須ですが直接樽から飲める機会はなかなかないですし、まだ熟成させる前のワインなのでその年の味が理解できて参考になります。

それぞれの樽の前にはボーヌの醸造学校の学生さんたちが立っており、ピペットでサーヴをしてくれます。
赤ワインゾーンでは歯が真っ黒になるので、写真を撮る時にはお歯黒に注意です…。


わが家の家飲みワイン♪カジュアルにも飲めますが、エチケットが素敵なのでプレゼントにも喜ばれます。
「エモーション」とはフランスで感情という意味で、切ない気持ち・静かな情熱も含まれる、日本語のいわゆるワビサビのような立ち位置の言葉です。

午後からはオスピス・ド・ボーヌの前の会場でチャリティーオークション!


普段ボーヌでマルシェ(朝市)が開催されている掘っ立て小屋(笑)が、慈善オークションの会場になります。

午後から始まる競売会には樽ごと買う気のあるバイヤーや富豪ばかりが揃い、招待制のため一般の旅行者は入れませんが外の大スクリーンで見ることは可能です。

毎年、女優さんや著名な作家さんがファシリテーターとなってオークションを高値へと導きます。

オークションの様子。3年前からオスピスの前に巨大スクリーンが設置され、外からもオークションの生中継が見れるようになりました。
ゆり
ゆり

ちょっと古い情報ですが、2017年のチャリティーオークションの様子を公開していますので、良かったらチェックしてみてくださいね!


2018年は、ワイン造り研修でお世話になったブルゴーニュのドメーヌのチームと飲み歩いていたので結果だけ見てオークションの途中の流れはノーチェックでした。最終価格は最後に分かるので・・あはっ

パリからの行き方と、ボーヌでの滞在について

パリからフランス国鉄でボーヌまでひとっとびです。

パリからは↑のTGV(新幹線)で3時間半。
ボーヌの最寄り駅 Beaune(Gare de Beaune)行きの列車を予約します。

SNCFページ(英語)
https://en.oui.sncf/en/tgv/fares

※この記事を書いている9月中旬現在、今年の栄光の三日間でのパリとボーヌの往復は一番安い価格で一人70ユーロ(約8500円)です。ご参考までに(^^)

ボーヌ駅(Gare de Beaune)からボーヌの中心までは徒歩で約8~10分ですので、市内にホテルを取られると歩きで行けるので便利です。

パリで大きな荷物は預けてしまい、11月のブルゴーニュはとにかく冷えますのでボーヌでは温かい防寒具くらいで出来るだけ荷物を少なくして来るのがおすすめです。

パリのベルシー駅(ブルゴーニュ行きの列車が多く発車する駅)には大きなコインロッカーがないため、最寄りのリヨン駅に預けるか、もしくはパリで滞在するホテルがあればそちらに相談して預けるのが吉。

ワインを購入する予定があれば、大きなワインカーヴであればヤマト便で直接日本に送れますが、手持ちで帰られる予定でしたら折り畳み式のバッグがあれば便利ですね。

ボーヌ滞在中の移動手段。車、自転車、UBER?

ボーヌで車をレンタルできれば便利ですが、オスピス・ド・ボーヌをメインでドメーヌ巡りは1~2日のみでしたら、UBERや自転車を借りることでカバーすることは可能です。
ボーヌの駅(Gare de Beaune)からボーヌ市内に向かう途中で自転車屋さんがあるので、そこで借りることもできます。
ちなみにボーヌから一番近い銘醸地、ヴォルネーVolneyまでは約6キロ、自転車で30分以内です(^^)


ブドウ畑を横目に見ながらワイン街道を走るのはとても楽しいですが、11月は既に結構寒いので、自転車でいくならば日中の日が差している時をおすすめします。

ボーヌからピュリニー・モンラッシェまでサイクリングしながらビデオ撮影。
だみ声ですみません・・・。

ボーヌで実際に滞在して良かったホテル

Le Cep(ル・セップ)。フランスの中世を思わせる内装ながら、どこか温かみがあるホテル。
Le Cep

居心地がよくてあたたかいサービスが楽しめるホテルはここ!
レセプションの先には暖炉やソファがあったり、フランスらしいアンティークのデコレーションがちりばめられていて、どこかほっとできる雰囲気です。アメニティも豊富。

ただし、ここは人気のためかすぐに一杯になってしまうため、出来るだけ早めに予約されることをおすすめします。

あとはAirbnbでボーヌ市に出来るだけ近い宿を取れれば、移動の時間短縮になるのでおすすめです。

ワインのドメーヌを訪れる時の注意点

せっかくブルゴーニュに来たのだから、ぜひ造り手を周りたいですよね!

この辺りにもバスはありますが、時間がまちまちで突然途中の村で運転手さんの勤務時間が終わって降ろされることもありますので、あまりお勧めはしません。
(それこそ動揺してまだ全然ワインすら飲んでないのに吐きそうになります)

ドメーヌ巡りで気になるのが購入したボトルをどうするか?ですが、大きめの造り手ですと、購入したものはそのままヤマト便で日本に送ることは可能ですし、ヴィジットの際には2000円程度の入場料を払いますので無理してボトルを購入する必要もありません。

(ちなみにボーヌの近くの大手生産者だとChâteau de Meursaultが大きくてツアーもシーズン中は2時間ごとに催行されています。)


ワインはボーヌ市内のワインショップでもほとんどヤマト便に対応しているので、(念のためお店のドアにヤマト便のステッカーがあるかをご確認ください)そこで購入するのもおすすめです。

小規模生産者を訪問するときには

小規模の造り手を訪れるときには、事前に予約を取り、畑仕事の手を休めて来ていただいている感謝を伝え、自分の好きな生産者であればお土産を持参するといいかもしれません。
(どら焼きなどのお土産を持って行くととても喜ばれます)

テイスティング料もわずかな場合が多いので、もしも気に入ったワインがあればボトルを1~2本は購入されると良いかもしれませんね。

いかがでしたか?

ブルゴーニュ大好きっ子なので、情熱に任せてつれづれと書いてしまいましたがもしもご質問等ありましたら、遠慮なくお知らせくださいね!

楽しい栄光の3日間&ブルゴーニュ滞在となりますように・・・☆

2017年の情報はこちら♪
ブルゴーニュ2017年 栄光の3日間(ボーヌ) 邂逅禄
ちょっと古い情報ですが、以前私が寄稿をさせて頂いていたワイン雑誌さんから、このサイトに過去の私の記事を掲載して良いとのお許しが出ましたので掲載できることになりました(^^)ゆりワインの輸出や産地アテンドの時間を縫っ...