「クリスタルの弟」と呼ぶには惜しい — ルイ・ロデレール コレクションという回答

おすすめワイン

「1万円前後で、贈って恥ずかしくないシャンパーニュをひとつ挙げるなら?」

ワインの輸出をしていると、この質問を年に何十回と受けます。わたしの答えは、もう何年も変わっていません。ルイ・ロデレールの「コレクション」です。

オスピス・ド・ボーヌの尖塔と青空

あの「クリスタル」を造る家の、普段着

ルイ・ロデレールは1776年創業、いまも家族経営を貫くシャンパーニュの名門です。頂点にあるのは、ロシア皇帝のために生まれた伝説のキュヴェ「クリスタル」。そして同じ造り手が手がけるスタンダードが、このコレクションです。英国の専門誌が選ぶ「最も尊敬されるシャンパーニュ造り手」で5年連続1位になったこともある家の、いわば普段着。普段着といっても、仕立てはオートクチュールの家のそれです。

リザーヴワイン(過去のヴィンテージから取り置いた原酒)をぜいたくに使う造りで、番号付きのエディション制(243、244、245……と毎年更新)。近年のエディションは海外の評価誌で90点台前半が並びます。1万円前後のシャンパーニュとしては、ちょっと出来すぎの成績です。

パリの店でも、ロデレールを開ける夜は空気が少し変わりました。ソムリエが瓶を布で拭く手つきまで丁寧になる。ああいう小さな敬意は、造り手が積み上げてきた信用への、現場からの返事なのだと思います。

選ぶときの注意をひとつだけ

エディション番号が毎年切り替わるので、店頭によって「244」「245」など表記が違います。どれも設計思想は同じなので、番号の違いは気にしなくて大丈夫。それより、シャンパーニュは保管状態が命なので、正規輸入品・冷蔵便を選ぶことをおすすめします(並行輸入の安さには、夏の倉庫のリスクが乗っています)。

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贈り物の相場や選び方の基本は贈答ワインの記事に、シャンパーニュがどう造られるかは製法の記事にまとめています。今週どなたかに「ありがとう」を渡す予定がある方は、この一本を思い出してください。

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