今週末、白ワインを2本だけ買ってきてください。
1本はシャルドネ、もう1本はソーヴィニヨン・ブラン。合わせて4,000円もあれば足ります。
今日の記事は、読むだけでは終わりません。品種の名前は、飲み比べてはじめて体に入るからです。

白は、この2つの方角から始める
白ワインの品種は、世界に数え切れないほどあります。でも入り口は2つで十分です。
シャルドネは、ふくよか。口当たりがまろやかで丸く、樽で育てたものはバターやナッツのような香りをまといます。
ソーヴィニヨン・ブランは、爽やか。柑橘や摘みたてのハーブの香りがして、酸がきりっと通っている。
ふくよかと、爽やか。白ワインの地図は、この2つの方角から描き始めるのがいちばん早いのです。
パリにも桜は咲きます。春、同僚たちと桜の咲く公園でアペロをした日、開けたのはよく冷えたソーヴィニヨン・ブランでした。
「春の匂いがする」と誰かが言って、本当にその通りだと思った。
品種の個性は、こんなふうに景色ごと覚えたものがいちばん忘れません。
だからあなたにも、知識ではなく体験として持って帰ってほしいのです。
売り場で迷わないための、小さなヒント
2本を探すとき、ラベルに品種名が書いてあれば話は早い。チリやオーストラリアのワインは、たいてい書いてあります。
フランスものなら、シャブリはシャルドネ、ロワールのサンセールはソーヴィニヨン・ブラン。
と、ここまで覚えなくても大丈夫です。お店の人に「シャルドネとソーヴィニヨン・ブランを1本ずつ」と言えば済みます。
大事なのは銘柄選びではなく、2本を同じ夜に並べること。それだけです。
週末実験の手順は、これだけ
やり方は簡単です。同じ形のグラスを2つ用意して、2本を少しずつ注ぐ。
まず香りだけを交互に。次にひと口ずつ、交互に。違いは、たぶん1往復目でわかります。
「白ワインって、こんなに違うのか」。この驚きが、今日の目的地です。
ひとつだけコツを足すなら、冷やしすぎないこと。
キンキンに冷えていると、どちらの香りも閉じてしまって、違いが見えにくくなります。
飲む30分前に冷蔵庫から出しておく。準備はそれで完了です。
飲みきれなかった分は、栓をして冷蔵庫へ。2〜3日は翌日以降の晩酌でおいしく飲めます。
白状すると、わたしは渡仏前、シャルドネを品種ではなく銘柄の名前だと思っていました。
その状態で星付きの現場に放り込まれ、最初に叩き込まれたのがこの2品種の往復です。
基礎は、プロも同じところから始めます。恥ずかしがる必要はどこにもありません。
グラスを揃えるなら、わたしはINAOのテイスティンググラスを使っています。
1脚1,000円ほどの世界基準で、2本の違いを同じ物差しで見られます。見た目は素っ気ない道具ですが、比べる実験には最適です。
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2つの言葉が、注文を変える
この飲み比べをした瞬間から、あなたはレストランで迷わなくなります。
「ふくよかな白を」「爽やかな白を」。この一言だけで、ソムリエへの注文は驚くほど正確に通じるからです。
ワインの語彙が仕事の場でどう効くかは、経営者とワインの記事に書きました。
品種名を100個知っているより、2つの違いを舌で知っているほうが、食卓では強いのです。
パリの店でも、注文の上手なお客さまはたいてい、この2語で頼んでいました。
知識をひけらかすより、好みを短く伝えるほうが、ずっと格好いい。
週末の実験が終わったら、感想をひとこと言葉にしてみてください。
「こっちのほうが丸い」で十分。それがあなたの、最初のテイスティングコメントです。

